なにわの伝統野菜たち           
 江戸時代の大坂は、天保7年(1836)の『新改正摂津国名所旧跡細見大絵図』や
文久3年(1863)の 『大阪産物名物大略』(※河内屋太助・伊丹屋善兵衛.1864.大阪産物名物大略)に、
‘宮の前大根(みやのまえだいこん)’、 ‘守口細大根(もりぐちほそだいこん)’、‘天王寺大根(てんのうじだいこん)’、
‘椋橋大根(くらはしだいこん)’、‘天満白大根(てんましろだいこん)’、 ‘田邊大根(たなべだいこん)’、
‘天王寺蕪(てんのうじかぶ)’、‘木津干瓢(きづかんぴょう)’、‘難波村胡蘿蔔(なんばむらこらふ)’、
‘木津人参(きづにんじん)’‘木津冬瓜(きづとうがん)’、‘倉橋大根(くらはしだいこん)’、
‘玉造黒門白瓜(たまつくりくろもんしろうり)’、 ‘毛馬胡瓜(けまきゅうり)’、‘市岡西瓜(いちおかすいか)’、
‘九条茄子(くじょうなす)’、‘本庄茄子(ほんじょうなす)’、‘小松茄子(こまつなす)’、 ‘鳥飼茄子(とりがいなす)’、
‘吹田烏芋(すいたくわい)’などの品種名が、列挙されるほど野菜の生産が盛んな町でした。

 大正、昭和初期まではお万歳として食べられていたこれらのなにわの野菜。都市化と共にその姿は見ることができなくなり、
口にすることもなくなってしまいました。ところがこの数年、伝統野菜が見直され、復活の兆しが見えます
天王寺蕪の会・田辺大根ふやしたろう会・なにわ魚菜の会などが普及に取り組み、従来の漬物に加え、ユニークな商品も現れてきました。
 伝統野菜そのものを炊き込んだ飴 「伝統飴野菜」、 田辺大根をかたどった「田辺の大ちゃんパン」など
伝統野菜をつかった加工品が今、注目されています。
 西成区に在る生根神社では「勝間南瓜」祭りも開かれ、都島区では毛馬きゅうりが、東成区でも玉造黒門越瓜の
復活を目指しています。天満で「天満宮前大根」が話題を呼びました
 このように大阪では町をあげての復活に取り組んでいます

大阪市内 認定9品目 大阪府下 認定7品目 その他の伝統野菜
天王寺蕪 田辺大根 服部白瓜 鳥飼ナス 河内蓮根
毛馬胡瓜 玉造黒門越瓜 三島独活 高山ごぼう 石川早生
金時人参 大阪しろな 泉州黄玉葱 高山まな 河内一寸空豆
勝間南瓜 芽じそ(源八もの) 吹田慈姑 泉州水茄子
守口大根
(天満宮前大根)