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なにわ

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河内一寸そらまめ
    
    
飴の豊下
 「なにわの伝統野菜


写真提供:西元商店
【河内一寸ソラマメ】
ソラマメ
1)渡来
 ソラマメの原産地は確定されていませんが、古代にヨーロッパから東方へその後、西部アジアより伝わったとされます。中国へは『太平御覧』(983)によれば張騫(ちょうけん)により西域から導入されたことから「胡豆」と本草綱目にあります。わが国には天平時代に、インドの僧、菩提仙那が中国を経て来日した際に、行基に伝え兵庫県の武庫村で試作したと伝えられています。そして、『多識編』に蚕豆、曾良末米、一名胡豆とあり、麦についで良い作物であることが述べられています。煮たり、味噌を作ったり、餅や粥にしたり、凶作の時には飢えをしのぐのに有効な作物でありました。

2)生産と品種の変遷
 江戸時代以来穀物的な性格を持つ重要な作物とされ、『農業全書』には「畿内にも多し」と記されている。明治二十一年の『農事調査』によれば、一万六千石の生産があり、約千四百haの面積があったと推定されます。そして、府下全域に栽培が行われていましたが、中でも日根郡、南郡および志紀郡での生産が多い。第2次大戦までは大阪府、兵庫県が本場であった。これは現在の兵庫県尼崎(武庫村)が摂津国であったことが関係していると考えられる。河内一寸の母体とされる、尼崎地方のソラマメについては、川辺郡『立花村誌』によれば、富松(とまつ)一寸ソラマメとしての記載がある。それによれば僧行基が昆陽池の土木工事を指導した際に、土地の農民に「於多福」を栽培させたものがその後改良され、富松一寸ソラマメになったとされている。そして、僧行基が持参したソラマメが「於多福」とすれば、聖武天皇の時代にインドの僧菩提仙那が来朝の際、王噴豆を携帯し、僧行基に種子と栽培法を伝えたとされ、それが京都で広まり、於多福豆となったとされることから、京都から西国街道を西に約三十kmの伊丹、尼崎へ伝わるのはそんなに年月を要するものでなかったと考えられます。
大阪の一寸ソラマメは武庫一寸からきたものであり、明治に南河内郡喜志村大深の尻谷喜三郎氏によると、当時この地方は米と麦のみの収益で、他に副収入もなく生計は豊かでなかった。明治二十二年頃尼崎近在の稗島(現大阪市)から一握りの一寸ソラマメの種子を譲り受けたのがその始まりである。栽培の結果は上々で、付近の農家の注目を集め、急速に広がっていった。当時の品種は赤花と白花が混じっていたが、白花を選抜し栽培したところ、種子は偏平、しりがうすく、縦皺が少なく、艶が増し、より大きな系統を育成することにつながった。さらに、喜志村の内本辰次郎氏は選抜を繰り返しふるいや、手選抜により厳選した種子を販売することとなり、全国的な種場としての名声を博することとなった。篠原らによれば、一寸ソラマメは大阪府泉南郡の須原要蔵氏が於多福を改良して育成したと述べているが、現在そのソラマメの系統を認めることが出来ません。
 明治末のソラマメの栽培はサトイモに次いで多く、野菜では第3位で4万haに達していました。大正の中頃には、府全体で約二千八百haと最も栽培が盛んでありましたが、その後減少し、戦前には南河内で七百ha、中河内で三百五十haの面積があり、その販売種子量は約十八万リットルでありました。
 大阪農試の伊藤庄次郎氏は昭和十二年に喜志村の在来「河内一寸」から、大きさ2.4cm以上が99%、また、豆の形が0.73以上の「改良一寸」を昭和15年に育成した。さらに、その後白花で、種子が大粒の『大阪一寸」が育成され、全国にその種子は販売されていった。河内一寸のうち、へその黒味の薄いものを「茶豆一寸」、また、松原市付近で以前から栽培されていた在来系統はやや中粒であるが、青さや用としてよくやや長さやで、その形状と着果状況がバナナに似ていたことから「ばしょう成り」と呼称されている。一寸ソラマメは粒形が変異しやすく、選抜を間違うと中・小粒化する。また、篠原らによれば、一寸ソラマメは大阪府泉南郡の須原要蔵氏が「於多福」を改良して「一寸」を育成したと云われているが、現在その系統を見ることはできない。昭和二年に、堺市の相良氏が河内一寸より改良し、仁徳陵の西方にあったことから「陵西一寸」と名付けた大粒種である。一時は七百haあった栽培面積も減少し、昭和五拾七年には百七ha、平成十一年には二五haにまで減少しました。戦時中は米麦が中心であったが、戦後蔬菜と麦の統制がとれ、再び栽培が始まり、優良品種の育成が望まれることとなった。
 ソラマメの名は莢が天を向いていることから、空豆ともかきます。また、中国では莢の形が老蚕に似ていることから蚕豆ともいう。その他、全国的にはおたふくまめ、うずらまめ、さつきまめ、なつまめ、雪割りまめなど季節と関係した名前でも呼ばれている。未熟な豆はおかいさんに入れたり、ほかの野菜や魚と一緒に煮込んでおかずにします。また、塩ゆでにしてビールのつまみにします。乾燥した豆は菓子の餡にしたり、油で揚げ、ツマミとして利用されています。

「ソラマメ」の食べ方
        
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