十八屋弥兵衛のひとりごと

-アメって和菓子、洋菓子?-

飴のうんちくや日記の紹介

  第一回目は十八屋の十八番(おはこ)、アメの話です。 日本に昔からあるアメは、一休さんのとんち話にでてくる和尚さんの水飴や、昔話「龍の子太郎」で太郎が乳のかわりになめた龍の目玉のようなあめ玉です。独特の風味はありますが、砂糖を使わないので甘みは今ひとつです。
 さて、8世紀はじめに編纂された日本書記の神武紀に「飴」が文字として初めて現われますから、その真偽はべつにしてこの頃には「飴」と言う食べ物が存在したことになります。 ここにでてくる「飴」はモチ米のモミを発芽させたものをしばらく保温して後、煎じて作ったと思われます。
 時代は下がって大航海時代。いろいろな国のいろいろなモノが、海を越えて行き来するようになります。 日本にも鉄砲の伝来以降、コンフェイト(金平糖)、カステラなど、今でもおなじみの南蛮菓子とともに、日本のキャンデーのルーツ、アルフェロア(有平糖/ポルトガル語でネジリアメの意)も伝わります。有平糖はそのころ流行っていた「茶の湯」の干菓子に取り込まれ、今では立派な和菓子です。作り方は、丹念にアクを取りながら煮詰めた砂糖のシロップに酢を少し加え、適度に冷えたら色を付け、形を作ります。
フランス菓子のアメ細工と全く同じです。もっとも普段は酢を使わずに水飴をすこし入れるのですが。 江戸時代も元禄や亨保年間には、それまでは貴重品だった砂糖も加えるようになりました。
 このように東洋の飴と、インドからヨーロッパを経てやってきたキャンデーが日本の風土に培われて生まれたものが、皆さんの食べているアメなんです。

 そこで問題です。次のお菓子のうちキャンデーはどれでしょう。
キャラメル、チョコレート、金平糖、生姜板、カルメラ、金花糖、 ドラジェ、ヌガー、氷砂糖、ザボン漬け、ゼリー、チョコバー。
  答えは次回の ひ・と・り.ご.と で。


十八屋弥兵衛 謹白